2000.10.4
お年寄りのインフルエンザ
毎年冬に流行るインフルエンザ。このウイルスが恐いのは、
特に高齢者で肺炎を合併し易く、それによる死亡例が多いことです。 現在、インフルエンザに対する最も確実な手段は、ワクチンによる予防です。その有効率は、高齢者の場合、インフルエンザや肺炎による入院を50~60%減少させ、死亡率では80%減少させると言います(米国のデータ)。毎年、流行ウイルス型を予測してワクチンを作るのですが、最近の的中率は約90%です。さて、接種の回数ですが、高齢者を含む成人では過去にインフルエンザに罹ったことのある人がほとんどですので、1回の接種で感染予防に必要な免疫ができます。これは、日本のワクチンで調べられています。また、高齢者のワクチン有効性を示した欧米の大規模研究は、皆1回打ちです。従って、
成人では1回打ちで良いと考えます。厚生省も平成12年より、13歳以上の人には、1回打ちを認めました。ご高齢の方には、インフルエンザワクチン接種をお勧めします。