内科・呼吸器内科・皮フ科・麻酔科(ペインクリニック内科)・リハビリテーション科松田クリニック

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皮膚科dermatology

皮膚科とは

湿疹、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、
いぼ、白癬(水虫、爪白癬、たむしなど)、帯状疱疹などの
診断・治療を行います。
次のような症状がある方はお早めにご相談下さい。

主な症状
  • 湿疹が出来ている
  • 肌にじんましんが出ている
  • 肌が赤くなっている
  • 肌がかぶれた
  • 乾燥肌である
  • いぼがある
  • かゆみが強く、赤い紅斑がある
  • 皮膚の痛みや違和感

湿疹

皮膚の表層(表皮・真皮上層)に起こる炎症の総称で、かゆみや赤み、細かいブツブツ、小さな水疱などが混じり合ってみられる皮膚疾患です。湿疹の原因はさまざまですが、刺激物質やアレルゲンなどの「外的要因」と、健康状態やアレルギー素因などの「内的要因」に分けられます。両者が複雑に絡み合い、両方の要素が含まれる場合も多いことがわかっています。

蕁麻疹

蕁麻疹は比較的よくある病気で、15~20%の人は一生のうちに一度は経験するといわれており、蕁麻疹の約70%は原因不明の特発性蕁麻疹です。一般には感染、運動や暑さ、寒さといった刺激、圧迫や日光などによっても起こることもあります。
蕁麻疹(じんましん)の話
ほとんどの蕁麻疹(じんましん)は、ヒスタミンという物質によって起こります。ヒスタミンは痒みを起こす物質で、皮膚の真皮にいるマスト細胞の中にあります。ヒスタミンをマスト細胞の外に出させる作用を持つもの、あるいは出し易くする作用のあるもの全てが蕁麻疹の原因になります。例えば、薬物や食品添加物、感染(細菌、ウイルス)、虫刺され、精神的ストレスなどが代表的なものですが、それぞれの患者さんで原因を特定することは簡単ではありません。 そこで、治療にはヒスタミンの作用を抑える薬やアレルギーを抑える薬が用いられます。急性蕁麻疹は1ヶ月以内に大体治りますが、それ以上続く慢性蕁麻疹では、なかなか治らない場合があります。蕁麻疹の治療に用いられる薬は多数あり、また、それらの効果は患者さんごとに異なります。薬を勝手に止めたりすると治療効果が落ちますので、少し長引いてもイライラせず、医師の指示に従って根気よく治療を続ければ、多くの場合は軽快します。

アトピー性皮膚炎

かゆみを伴う湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。皮膚のバリア機能が低下し、炎症が起こることでアレルゲンなどの刺激が入りやすくなり、免疫細胞と結びついて炎症を引き起こします。また、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきてかゆみを感じやすくなり、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ります。
アトピー性皮膚炎
生物学的製剤治療
従来のアトピー性皮膚炎は、ステロイドや保湿外用、抗アレルギー内服が主体でした。中等症以上の方に使用できる生物学的製剤という抗体を利用した治療薬です。
今までのアトピー性
皮膚炎の薬剤

従来のアトピー性皮膚炎は、ステロイドや保湿外用、抗アレルギー内服が主体でした。中等症以上の方はシクロスポリンなどの免疫抑制剤内服を行っておりました。しかし、以下のような問題もありました。

ステロイド外用

非常に有用だが、顔面に長期使用をすると皮膚が薄くなったり毛細血管が拡張する場合がある。
※しかし、現在も重要な薬剤であるのは間違いありません。

抗アレルギー剤内服

そこまで大きな効果は期待できない。

免疫抑制剤

効果は大きいが、腎機能異常や免疫が抑えられることによる感染症などの可能性がある。
定期的な血液検査が必要。

新しいアトピー性
皮膚炎の薬剤

中等症以上の方に使用できる生物学的製剤という抗体を利用した治療薬です。デュピクセント、ミチーガ、アドトラーザが保険適応となりました。
特にデュピクセントは効果が高く、使いやすいです。何十年も全身が真っ赤で皮膚がうろこ状に分厚くなっていた患者様が、みるみるツルツル肌になっていくのを目の当たりにすると、毎回、お勧めしてよかったなあと思います。また、患者さまも「こんなに良い状態になったのは初めてだ」とぼそっとつぶやかれていたのが印象的です。リンヴォックなどのJAK阻害薬内服に比べて、免疫抑制などの副作用が少ない、レントゲンが不要など、メリットが大きいです。

デュピクセント(デュピルマブ)(6か月)

デュピクセントは 「IL-4」と「IL-13」という物質(サイトカイン)の働きを直接抑えます(※)。これによりアトピー性皮膚炎の皮膚の内部に起きている炎症反応を抑えることによって、かゆみや皮膚症状を大きく改善します。
※Th2細胞が産生する「IL-4」と「IL-13」の結合する受容体の「IL-4受容体α(IL-4Rα)」を特異的に阻害する完全ヒト化モノクローナル抗体薬。
初回注射して2週目にはざらざらしていた肌がつるつるになっていたり、かゆみが軽減したりすることもしばしばあり、非常に大きな効果が期待できます。もちろん全ての方に十分な効果があるわけではありませんが、ステロイド外用中心で症状の思わしくない方は一考の価値があります。最近は結節性痒疹、慢性蕁⿇疹にも適応があります。

ミチーガ(ネモリズマブ)(6歳以上)

ミチーガはアトピー性皮膚炎のかゆみを誘発するIL-31(サイトカイン)の働きを抑えます(※)。発疹はそこまでひどくないが、かゆみが強い方に向いています。かゆみをよくする効果は高く、素早く効果が出ると言われています。※IL-31が結合するIL-31RAに対するモノクローナル抗体薬。
かゆみを素早く抑えるのがメインです。注射した翌日からかゆみが減る患者様もいらっしゃいます。

アドトラーザ(トラロキヌマブ)(15歳以上)

IL-13を選択的に阻害する生物学的製剤です(※)。
※2型サイトカインであるIL-13と結合し、IL-13とIL-13受容体のα1及びα2サブユニットとの相互作用を阻害します。

リンヴォック錠(ウパダシチニブ水和物)(12歳から)

JAK阻害薬という種類の内服です。特にJAK1を選択的に阻害します。
中等症~重症のアトピー性皮膚炎の方に使われ、早期に大きな効果が期待できます。特に30mgの内服では非常に切れ味が良い印象です。

サイバインコ錠(アブロシチニブ)(12歳以上)

JAK阻害薬という種類の内服です。特にJAK1を選択的に阻害します。
中等症~重症のアトピー性皮膚炎の方に使われ、早期から大きな効果が期待できます。

オルミエント錠(バリシチニブ)

JAK阻害薬という種類の内服です。※JAK1およびJAK2活性を阻害し、STATのリン酸化および活性化を抑制することでシグナル伝達を阻害します。
中等症のアトピー性皮膚炎の方に使われ、早期からかなりの効果が期待できます。

スギ花粉皮膚炎について
春先スギの花粉が飛散する季節になるとスギ花粉症をもった方の中にスギ花粉皮膚炎 が合併することがあります。これはスギ花粉が皮膚に接触することが原因となり、顔、特に目の周りや頬に湿疹様の変化が生じる皮膚のアレルギー疾患で、最近急増しています。春の花粉症と同様、春のみに生じ他の季節に生じない点、又風邪の強い時に発症しやすい点が特徴です。湿疹は眼の周り、頬部に痒みの強い紅斑として認められます 。スギ花粉皮膚炎の診断には外来で簡単に出来て約15分で判定できるスギスクラッチテストという検査を用います。鑑別診断としては、春の季節に増悪するアトピー性皮膚炎が最も鑑別に苦慮する疾患ですが、スギ花粉皮膚炎はスギ花粉の飛散する季節だけに発症するのに対し、アトピー性皮膚炎は増悪、軽快はあるもののほぼ1年を通して存在している点が大きく異なります。
治療は抗アレルギー剤を内服し、花粉症そのものを良くする必要があります。それに加え、皮膚局所の治療としてステロイド外用剤を用いて炎症を抑える ことが大切です。炎症が抑えられたら次に保湿剤を使用して皮膚のバリア機能を保つ ことが重要なポイントになります。過度の皮膚の洗いすぎはバリア機能を傷害するので控えましょう。これに反し、適度の化粧はバリアとなってくれるのでむしろ良いとされています。
このスギ花粉の時期に限って顔が痒くなったり皮膚炎を生じるようであれば、スギ花粉皮膚炎も疑って皮膚科を受診されることをお勧めします。

いぼ

「いぼ」にはウイルス性疣贅(ゆうぜい)、老人に多い脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)、首や脇のしたなどにできる軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)という柔らかいできもののことをさします。
このうち、多くはウイルス性疣贅であり、皮膚や粘膜にできますが、疣贅ができる場所により足底疣贅、爪囲疣贅など名前がつけられています。さらに、疣贅の中でも多いタイプをまとめて「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」、そうでないものは「特殊型」という名がつけられています。
尋常性疣贅(いぼ)の話
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい:いぼ)は、パピロマウイルス(人いぼウイルス)が小さな傷から皮膚に入って増えたもので、良性です。みずいぼのウイルスとは違うウイルスで、みずいぼほどは人にうつりません。(手や足の裏など傷つく場所に出来やすい。)
たこやうおの眼(鶏眼)と間違えて削ったり、スピール膏を貼ったりするとますます大きくなり数が増えますので、注意が必要です。

治療は液体窒素で冷たくする治療で、少し痛いですが頑張って1週間位で通院される事をお勧めします。治るまでには個人差や出来た場所にもよりますが、子供の方が大人より治りやすいようです。また踵など皮膚の厚い場所に出来た場合は、治り難い傾向があります。黒くなったり、水泡になったり、かさぶたになり自然にとれますので、いじらないで下さい。数が多い場合や、液体窒素による反応が少ない場合は、ヨクイニン(はと麦)は、ある程度、尋常性疣贅には効果がある事が認められています。早期に正しい治療をすれば早く治りますので、ご相談ください。

白癬(水虫、爪白癬、たむしなど)

白癬は、白癬菌と呼ばれる真菌(カビ)によって生じる感染症です。 代表的なものが足に生じる足白癬で、いわゆる「水虫」です。 足白癬には趾間(しかん)型、小水疱(しょうすいほう)型、角質増殖型があります。 体に感染すると「ぜにたむし」、股では「いんきんたむし」、頭では「しらくも」とも呼ばれます。
爪白癬に関しては、最近比較的安全な内服薬が処方されるようになりました。
巻き爪治療
巻爪とは爪が巻いた状態のことをいいます。軽度のものからトランペットの中央の管のようにくるっと一周巻いているものまであります。超弾性ワイヤー(弾性が強く、曲げてもすぐに戻る)を用いた治療を行っています。伸びた爪の両側に針で穴をあけ、ワイヤーを通すだけなので、麻酔も必要なく痛みもありません。
また、最近は巻き爪治療に巻き爪マイスターを装着し、リネイルゲルを塗布することにより、劇的に巻き爪が改善することが出来るようになりました。

帯状疱疹

帯状疱疹とは、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。
ただし、初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染したときは、水痘(水ぼうそう)として発症します。多くの場合、水痘は子どもの頃に発症し1週間程度で治りますが、治癒後もウイルスは体内の神経節に潜伏しています。その後、加齢やストレス、過労などが原因となってウイルスに対する免疫力が低下すると、神経節に潜伏していたウイルスが再活性化し、神経を伝わり皮膚に到達して、痛みを伴う赤い発疹を生じます。これが帯状疱疹です。通常は生涯に一度しか発症しませんが、免疫が低下している場合には再発することもあります。
80歳以上の高齢者では、3人に1人は罹患すると言われています。
帯状疱疹ワクチンを2か月間隔で2回接種することにより、約10年間は90%近く罹患を減らすことが出来るようになりました。ただ、高価なワクチンですので、接種を希望される際にはご相談ください。
また、従来からの水痘ワクチン接種では、5~6年毎に接種することになりますが、ある程度罹患は予防することが可能です。
帯状疱疹後神経痛について
帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルス(水痘のウイルスと同じ)によるウイルス感染症ですが、しばしば帯状疱疹に先立ち、もしくは皮膚症状が出てから数日たってから疼痛が出現する事があります。
疼痛は徐々に軽減し違和感などとなり、やがて消失しますが、疼痛が持続して発症後3ヶ月たっても耐え難く持続している場合があり、それを帯状疱疹後神経痛と呼んでいます。帯状疱疹による疼痛は、抗ウイルス薬で有効な例もありますが、皮膚症状が落ち着いてからの疼痛は神経線維の変性によるものであり、なかなか難治であることが珍しくありません。

程度に応じて鎮痛薬(内服や座薬)や抗うつ薬、抗痙攣薬を用いますが、鎮痛剤投与で改善が認められない時には、星状神経節ブロック、硬膜外ブロックなどの神経ブロックが有用です。そのほかレーザー療法や鍼治療なども有効な事があります。疼痛の早い時期ほどこれらの方法は経過が有効な事が多いですので、ご相談ください。