内科・呼吸器内科・皮フ科・麻酔科(ペインクリニック内科)・リハビリテーション科松田クリニック

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コラムcolumn

2023.5.5

家庭血圧測定のすすめ-その1

高血圧症が長く続くと動脈が硬くもろくなり、また動脈の壁が厚くなって内腔が狭くなるので血液の流れが悪くなります。 いわゆる動脈硬化です。 その結果、脳の血管が切れる脳出血、くも膜下出血や脳梗塞、狭心症、心筋梗塞などの脳、心臓の血管疾患が起こります。また、いずれは心臓がくたびれて心不全になったり、腎臓の機能を低下させるなど大事な臓器に障害を与えます。高血圧症を治療して血圧を下げると、これらの合併症が減ることがさまざまな研究で明らかにされています。従って、症状がなくても怖い合併症を予防するために高血圧症の治療が必要になるのです。そのためには、先ず高血圧であるのかどうか、また既に高血圧症で治療中の方は、うまく血圧が下がっているのか、反対に下げ過ぎになっていないかなどを知らなければなりません。 医療機関の外来での血圧測定は大切ですが、それだけでは高血圧の診療に十分なデータが得られません。例えば、普段の血圧は高くないのに医師の前では緊張して血圧が上がってしまう「白衣性高血圧」の方もいますし、何しろ外来での血圧測定は日常生活とはだいぶ違う状況で行われます。1日の中でのいろいろな時間帯の血圧がわかれば一番良いのですが、高血圧で受診した全ての方に24時間連続血圧測定装置を付ける訳にはいきません。 そこで、普及しているコンパクトな電動式血圧計を使った家庭血圧測定が大変重要な情報源になります。家庭血圧は、前述しましたように高血圧自体の診断、治療効果の判定や経過観察、白衣性高血圧の診断以外に、朝に血圧の高い「早朝高血圧」や発作性高血圧の発見にも役立ちます。また、脳心血管疾患の死亡予測が外来血圧より優れているというデータもあります。 高血圧症の方は積極的に家庭血圧を測定しましょう。 次回(その2)は、家庭血圧の測定方法や注意点についていくつか述べてみます。