内科・呼吸器内科・皮フ科・麻酔科(ペインクリニック内科)・リハビリテーション科松田クリニック

045-909-0130
お問い合わせ

内科・呼吸器内科・皮フ科・麻酔科(ペインクリニック内科)・リハビリテーション科松田クリニック

コラムcolumn

2024.2.22

喘息にたばこは良くない?

喘息はアレルギー性の気道炎症とそれに伴う気道過敏性が基本病態です。
 たばこの煙は気道の炎症も、気道過敏性も悪化させます
。従って、喘息の人がたばこを吸っていると、喫煙する前に比べ、アレルギーを起こす物質や冷気の吸入、運動など何らかの刺激が加わると気管支が容易に収縮して狭くなります。さらに、たばこの煙は気管支で粘液を多く作らせますが、その過剰な粘液を上に運んで気管から外に出す自浄作用を弱めますので、痰が出にくくなります。
 現在、喘息治療の基本は吸入ステロイド療法です。たばこは、吸入ステロイドの抗炎症作用を弱めてしまうので、大量吸入を行っても非喫煙者に比べ治療効果が充分に出ません。これは、経口ステロイドを服用した場合でも見られます。
 他人のたばこによる受動喫煙でも喘息症状の悪化や治療効果を弱める反応は見られます。小児は成人以上に受動喫煙の影響を受け易く、特に身近にいる母親が喫煙する場合に顕著に喘息が悪化します
 妊娠中の喫煙は、生後小児期の気道過敏性の亢進、肺機能障害をもたらすとの研究結果もあります。
 喘息はいろいろな要因で悪化しますが、治療の助けによってまた良くなります。たばこを吸い続けることは、その良くなる力を自らだめにしているようなものです。