内科・呼吸器内科・皮フ科・麻酔科(ペインクリニック内科)・リハビリテーション科松田クリニック

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コラムcolumn

2021.8.28

痛風(高尿酸血症)の話・・・その1

痛風とは、尿酸が血液に過剰にたまる高尿酸血症が先ずあって、溶けきれなくなった尿酸が針状の結晶となり身体のあちこちで析出し、関節炎(痛風発作)、痛風結節、腎障害、尿路結石などを起こす代謝性疾患です。尿酸は核酸の成分のプリン体が分解された老廃物です。最近では、高尿酸血症が、心筋梗塞や脳血管疾患の独立した危険因子という調査も出ています。関節炎の典型例では、突然何の前触れもなく足の親指の付根に激痛が起き、赤く腫れて熱を持ちます。他に足首、足の甲、アキレス腱や膝などに出ることもあります。高尿酸血症の原因に遺伝的な体質、薬剤性などもありますが、何と言っても、(1) 肥満、(2) アルコール多飲(特にビール)、(3) 高プリン食(レバー、モツなどの内臓、油漬イワシ、肉類、肉汁など)など食生活を含めた環境要因が一番です。これらに激しい運動や脱水傾向(特に夏場)が加わると痛風発作が起き易くなります。但し、ジョギングなどの軽い運動は血中尿酸を上げないので心配ありません。痛風(高尿酸血症)の方は、日常生活の改善を心がけて下さい。先ず、肥満のある方は是非やせるようダイエットや適度の運動に励んで下さい。アルコールは、尿酸の腎臓からの排泄を妨げ、さらに体内での尿酸合成を促進します。ビールは、プリン体も多く含んでいますので少なくしましょう。せいぜい中瓶1本ぐらいでしょう。日常生活改善もさることながら、一度でも痛風発作を起こした方は、再発し易いので尿酸を下げるための継続した薬物治療も必要になります。途中で治療を止めると大体の人は繰り返します。目標値は、血清尿酸4.0mg/dl~6.0mg/dlです。