内科・呼吸器内科・皮フ科・麻酔科(ペインクリニック内科)・リハビリテーション科松田クリニック

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コラムcolumn

2021.11.27

ステロイド剤(副腎皮質ステロイド)の功罪(その1)

最近、皮膚科に来られる患者さんで「ステロイド外用剤だけは使いたくない。」とおっしゃる方がおられます。その副作用が怖いからというのが理由のようです。今回は、ステロイド外用剤で肌の色が黒くなり残ってしまうのではという危惧について説明します。 皮膚の表皮基底層にはメラノサイトというメラニン色素を作る細胞があって、回りの細胞(ケラチノサイト)へメラニンを渡しています。皮膚に炎症が起こると、このメラニン転送が障害され、メラノサイトの中にメラニンが充満してしまい、結果として黒ずんだ皮膚に見えるのです(炎症後色素沈着)。従って、皮膚が黒くなるのは決してステロイドを使用したからではありません。炎症後色素沈着を起こさないためには、むしろ早めにステロイド剤を適切に塗って炎症を抑える事が大切ですし、さらに炎症を繰り返さないようにする事が重要です。