内科・呼吸器内科・皮フ科・麻酔科(ペインクリニック内科)・リハビリテーション科松田クリニック

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コラムcolumn

2022.6.29

睡眠時無呼吸症候群・・・その3

睡眠時無呼吸症候群の治療は、無呼吸や低酸素血症の程度、症状、合併症などで違います。 無呼吸が1時間に20回以下の比較的軽症の人で肥満があれば、先ず減量です。入院して厳格なカロリー制限をする場合もあります。 睡眠中に舌根が落ち込まないように下顎を前方に押し出すように固定する口腔内装具を使う方法があります。一種のマウスピースのような物で、患者さんの歯型に合わせて歯科で作ります。軽症、中等症に適応があります。無呼吸が1時間に20回以上の重症例や高度の夜間の低酸素血症、心不全や高血圧の合併、日中の眠気がとても強い人などでは、第一にネーザル・シーパップ(nasal CPAP)です。これは、鼻にぴったりフィットする小型のマスクを夜間に装着し、機械から送られる陽圧の空気を吸う方法です。この陽圧の空気で舌根は押し上げられ上気道が開きます。うまく行くと劇的に効果が現れ、患者さんは、「とても良く眠れた、朝の寝起きがすっきりした。」と言います。睡眠の改善、いびきの消失、高血圧や肺高血圧の軽快、不整脈の軽減などさまざまな効果が世界中で報告されています。特異的な治療の1つとして、咽を狭くしている所を切り取って広げようという手術療法があります。代表的な手術は、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術といって、口蓋扁桃、軟口蓋の一部、口蓋垂を切り取ります。上気道の閉塞部位がもっと下の方まであると効果は期待できないので、術前に正確な診断が必要です。成功率は約50%です。声が変わる、飲み物が鼻へ上がるなどの副作用が出ることがあります。 常習性のいびきをかいて日中に眠たい方は、一度専門医を受診されてはいかがでしょうか。