内科・呼吸器内科・皮フ科・麻酔科(ペインクリニック内科)・リハビリテーション科松田クリニック

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コラムcolumn

2024.3.27

スギ花粉皮膚炎について

春先スギの花粉が飛散する季節になるとスギ花粉症をもった方の中にスギ花粉皮膚炎 が合併することがあります。これはスギ花粉が皮膚に接触することが原因となり、顔、特に目の周りや頬に湿疹様の変化が生じる皮膚のアレルギー疾患で、最近急増しています。春の花粉症と同様、春のみに生じ他の季節に生じない点、又風邪の強い時に発症しやすい点が特徴です。湿疹は眼の周り、頬部に痒みの強い紅斑として認められます 。スギ花粉皮膚炎の診断には外来で簡単に出来て約15分で判定できるスギスクラッチテストという検査を用います。鑑別診断としては、春の季節に増悪するアトピー性皮膚炎が最も鑑別に苦慮する疾患ですが、スギ花粉皮膚炎はスギ花粉の飛散する季節だけに発症するのに対し、アトピー性皮膚炎は増悪、軽快はあるもののほぼ1年を通して存在している点が大きく異なります。 治療は抗アレルギー剤を内服し、花粉症そのものを良くする必要があります。それに加え、皮膚局所の治療としてステロイド外用剤を用いて炎症を抑える ことが大切です。炎症が抑えられたら次に保湿剤を使用して皮膚のバリア機能を保つ ことが重要なポイントになります。過度の皮膚の洗いすぎはバリア機能を傷害するので控えましょう。これに反し、適度の化粧はバリアとなってくれるのでむしろ良いとされています。 このスギ花粉の時期に限って顔が痒くなったり皮膚炎を生じるようであれば、スギ花粉皮膚炎も疑って皮膚科を受診されることをお勧めします。