疥癬とは目に見えないほど小さな
ヒゼンダニが、人の皮膚に寄生して起こる皮膚病の一つです。メスの成虫が手や肘、わきの下、外陰部などに疥癬トンネルと呼ばれる横穴を掘り、卵を産み付けます。夜、眠れないほど痒みが強くなるのが特徴です。医療機関、老人病院、介護施設に入所している高齢者やその施設に勤務している人に比較的多い疾患です。
ヒゼンダニの成虫や卵が直接顕微鏡で見られれば確定診断となります。治療は
イベルメクチン(ストロメクトール®)を1週間かけて2回内服します。外用剤として、クロタミトン(オイラックス®)やイオウ剤を塗布することがありますが、効果は落ちますので、最近では良好な結果が得られる内服薬による治療が一般的です。激しい痒みに対しては、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の併用が必要です。家族の中で誰かが疥癬を診断された場合、
同居の家族の人も移っている可能性があるので是非、皮膚科医を受診しましょう。衣類やタオルの共有を避ける事も大切です。